将棋大図書館

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角交換四間飛車の定跡まとめ

藤井猛九段はこの戦法で升田幸三賞を受賞しています。基本的に一手の差が大きいので美濃囲いの端を受けずに攻める手を狙うなど様々な指し方があります。基本的に先手番では積極的に動く角交換四間飛車を、後手番の時は受け身で千日手含みの指し方が有力です。

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先手番角交換四間飛車

相手の飛車先がどこまで伸びているのかを見て、攻め方を変えていくのが基本。囲いは片美濃囲いに組み、最速の攻めを目指す。

対△8五歩型

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居飛車が飛車先を突き越している場合、角交換四間飛車の基本の攻め筋の「逆棒銀」が可能でし。具体的に▲8八飛と回り、棒銀の要領で仕掛けていく。振り飛車側は玉が固く、攻めていけるので実践的にも勝ちやすい。

対△8四歩型

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居飛車が飛車先を保留していた場合、振り飛車側から▲8六歩と突く、△8五歩と突けそうだがそこで▲8八飛と回れば逆棒銀の形に合流する。基本的に飛車がにらみ合い、硬直状態になりやすい。

対△8三歩型

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居飛車が飛車先を伸ばさずに玉の囲いを優先した形です。居飛車はここから玉頭位取りや穴熊など目指してくることが多いが、仕掛けの権利は振り飛車にあるので先手角交換四間飛車の中で一番主導権を握れる形です。

後手番角交換四間飛車

後手番の角交換四間飛車では居飛車の攻めに対してのカウンターを紹介したい。後手番でも攻めていくことも可能ですが、少し無理気味に動かないといけないので振り飛車らしくカウンターもしくは千日手をちらつかせ無理攻めを誘う指し方を紹介したい。

対▲3六歩型

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先手の居飛車が▲3六歩から銀を繰り出してくる作戦。▲4六銀の形から▲3五歩を狙ってくるので振り飛車側も△4四銀と対抗する形が一般的です。

対▲4六歩型

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居飛車のもっとも基本的な対策はこの▲4七銀型に組むことで、攻守のバランスが非常よい。角交換四間飛車にとって難敵で逆棒銀もあまり上手くいかず、指し方に工夫が必要です。

対▲5六歩型

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振り飛車側の△4四歩にたいして飛車先を受けるために▲5六歩と指した形で、振り飛車側は5筋の歩を突かせたことに満足して、駒組みを進めて5筋を負担にするのが狙い。力戦模様になりやすく定跡はほとんど整備されていない。

千日手型

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後手が△3五歩の位を取り、相手の桂馬の攻めへの参加を封じ、千日手を狙う指し方。消極的なように見えるが、後手からも仕掛けることが出来るので、相手が穴熊などに組み替えようとする時には仕掛けるなど柔軟に対応できます。

変化型

居飛車角設置型

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序盤早々に角を打ち、相手の攻めを牽制して主導権を握り、銀冠の堅陣に組みに行くのが狙い。プロの実践でも指されており、実際に研究会などで指されたので載せました。居飛車は角を手放していますが、振り飛車より固く囲えていて自分からも攻めていけるので優秀です。

レグスぺ

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白色レグホーンスペシャル、略してレグスぺ、東大将棋部で開発された戦法。四間飛車に振り角交換した後は一目散に穴熊に囲い、手持ちの角と左辺で手を作ってしまおうというもの。

地下鉄飛車

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手詰まり模様から振り飛車が打倒する手法の一つ。ここから△9一飛車からの地下鉄飛車で攻めていきます。左辺の駒は取らせる代わりに端から猛攻を仕掛けていく。

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館長コメント

最近は居飛車の角設置型や地下鉄飛車からの玉頭攻めなど居飛車側の対策も進化しています。